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宝塚アン

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    「金色の砂漠」は、宝塚としてはかなりハードな内容で、またもやみりおさんが、こじらせ青年役。ヒロインの踏み台になったりもするし、愛憎や復讐で暗い話だと最初は思いましたが、かなりの力作には間違いはありません。いぶし銀にお気に入りになる作品。オープニングの砂漠のシーン後、登場人物が次々と勢いのある音楽と共に登場したり、布やせりを多用するなど、演出がとても宝塚らしい。みりおさん本人が、ギイという役にすごく思い入れがあったようで、メモリアルブックの表紙にもなった位。このプログラムを読むと、演出の上田久美子先生は、明日海りおに「情念」の芝居を求めたという言葉の通り、花乃まりあさんと2人でこの作品に魂の演技・全エネルギーを注ぎ込んでいたと思いました。 プログラムを買って良かったと思った理由が他にも一つ。オープニングの配役に演出家の意図が込められていた気がして。砂漠に横たわる男女の骸の役を、王役の鳳月杏さんと王妃役の仙名彩世さんが演じていた事です。これはプログラムの配役を見ないと分かりません。倒れていてすぐ運ばれて行くので、もちろん台詞も無いし顔も見えない役なのだから、別に下級生がやっても良いような役のところを、この2人が演じていることの意味。力で勝ち取った愛の末路、ギイがしたことは歴史の反復でしかなかった、金色の砂漠は、罪を犯した男女が許される涅槃のような場所。悲劇的なラストを暗示するものだったのだろうなあ、と推察しました。フィナーレ付きなので、白い衣装で2人は仲良く召されたようで救われましたね。プログラムで配役が分かると演出意図まで透けて見えて新たな発見があり面白いです。
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